19日付読売新聞によると、同社の世論調査で、憲法9条は「解釈や運用で対応するのは限界なので改正する」ほうがいいと答えた人が、昨年9月の32%から39%に増えた。「解釈や運用で対応する」は同じく45%から39%に減った。

また10日に内閣府が発表した世論調査では、自衛隊に好印象を持つ人が91.7%で、1969年の調査開始以来最高となった。自衛隊の東日本大震災での活動を評価する人は97.7%に上り、震災での救援活動が自衛隊のイメージ向上につながったとみられる。自衛隊は過酷な状況下で、獅子奮迅の活躍で2万人近くの命を救った。こうした有事において初めて、自衛隊はなくてはならない存在であることを国民は実感する。

しかし戦後日本人は、日教組の反日教育や左翼マスコミによって、「自衛隊=軍国主義の復活」といったネガティブな思想を植え付けられてきた。昔、「自衛隊にはお嫁に行きません」というポスターを貼っていた政党があったが、その党の党首が首相になったとき阪神大震災が起きた。かつて左翼的市民運動家だった首相の下、官房長官が自衛隊を「暴力装置」と言い放ち、その数ヵ月後に東日本大震災が起きた。いずれも存在を否定していた自衛隊に頼らざるを得ない状況に陥ったが、これは偶然だろうか。

国家を否定する左翼政権は、国家に危機を呼び寄せる。民主党政権下で日米同盟に亀裂が入る一方で、中国は尖閣諸島獲得に向け実力行使を辞さない構えを見せ、北朝鮮の金正恩体制はミサイル実験を予告した。国防上の危機が目前に迫っている。

野田政権がこの危機に最重要課題を消費税から国防に切り替えるのかどうか。それによって野田政権の命運が決まるだろう。(泰)

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2011年7月号記事 憲法9条で国は守れるか<もし憲法9条で国を守れるとしたら>

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2045