貧富の格差に抗議する「ウォール街を占拠せよ」運動が世界的な広がりを見せているが、これに対抗する動きもアメリカの中で起こっている。その一つが、「我々は(貧しい側の)99%」と訴える格差デモに対して「私たちは53%」と主張する運動で、ネット内で支持を広げている。

53%という数字は、アメリカ内で連邦所得税を払っている人の割合を示す。つまり、「貧しい側の99%だというが、税金を払っていない人が多いのではないか」という主張だ。

ワシントン在住のアナリストが「私は53%」というテーマのツイッターを開設したところ、「ウォール街を占拠する人たちはおかしい」「同意できない」「自分で仕事を探すべきだ」などの賛同コメントが相次いでいる。この中で強調されているのは、自助努力の精神や自己責任の原則だ。

アメリカでは、豊かな側の5%の人たちが税金の60%を納め、しかもその多くを負担しているのが、格差デモがやり玉にあげる1%の富裕層だという。

アメリカ建国の精神は、「代表なくして課税なし」だ。やはり、税金を納めている人の声を政治に反映させることが民主主義の基本であるべきだろう。(織)