民主党政権で中止が宣言されていた群馬県の八ツ場ダムについて、国土交通省関東地方整備局が13日、「建設が最も望ましい」とする検証結果を発表した。

八ツ場ダムは、大規模な台風の被害から東京や利根川流域を守るために計画され、建設されてきたが、民主党の「コンクリートから人へ」のスローガンの下、いったん中止が決まっていた。

その後、中止方針が撤回され、国交省が建設の是非を検証していたが、工事を再開した場合の費用は約700億円。これに対し川底掘削などの代替案では約1700~1800億円が必要と指摘した。

発表の場には関東の各県知事らが出席し、埼玉県の上田清司知事は「1都5県に話をすることもなく、ただ思いつきで中止を宣言されて大迷惑だった」として、そろって工事再開を求めた。

事務次官会議や実質的な経済財政諮問会議の復活など、民主党の「目玉政策」は次々と元通りに見直されているが、「コンクリートから人へ」についてもようやく見直される気配が出てきた。この間、2年。公共事業を止めた分だけ国民の所得が減少したわけだが、大震災を機に、「コンクリートが人の命を守る」という基本に回帰してもらいたい。(織)