イギリスの高級紙インディペンデント電子版が29日付で、福島第一原発事故による死亡者数が今後100万人に達すると報じている。

「なぜ福島災害はチェルノブイリよりひどいか」というタイトルの記事だが、この中でわざわざ反核運動家のオーストラリア人、カルディコット医師を登場させ、「チェルノブイリ事故での死者は20万人にのぼるが、フクシマはそれ以上だ」と言わせている。

また、英アルスター大のバズビー教授の話として、「これから100万人が亡くなる」と予想させた。

このニュースを韓国メディアが引用して報道し、福島原発事故がいかに深刻なものかを強調している。

今後も反原発を主張する人たちのコメントが国内外のメディアで取り上げられるだろう。

ただ、本欄で何度も書いているが、国際的に最も権威のあるチェルノブイリ事故による健康被害の調査は国連の8機関(WHO、IAEAなど)による2006年の調査だ。事故後、小児甲状腺がんが4千例発生し、15人が死亡したとしている。ソ連政府が放射性ヨウ素に汚染された牛乳を出荷停止せず、周辺の子供たちが放射性ヨウ素を取り込んだためだ。

福島の住民が吸収した放射性ヨウ素はチェルノブイリの1千分の1と調査で分かっているので、甲状腺がんが発生しないレベルだ。

また、最近は福島第一原発からセシウムが大量に放出されたと盛んに報じられているが、チェルノブイリでもセシウムによる住民の健康被害は確認されていない。

海外メディアの、日本叩きとも言える報道被害にも警戒しないといけない。(織)