12日に福島第一原発事故の国際評価が、最悪レベルの「レベル7」に引き上げられたことについて、異論が相次いでいる。

例えば13日付ロイターは次のように報じる。

「福島の事故はチェルノブイリほど深刻ではない。福島がレベル7なら、評価尺度を見直しレベル8か9まで作る必要がある」(南カリフォルニア大のNajmedin Meshkat教授)

「放射性物質の放出量がチェルノブイリと同程度としても、事故の内容や対応の違いから人体の影響は福島の方がはるかに小さい」(カリフォルニア大のケネス・バリッシュ教授)

また、NHKニュース(14日)では、ロシアの原子力公社ロスアトムのキリエンコ総裁が、「福島第一原発の状況は思ったほどには悪化しておらず、われわれの評価ではレベル6にも達しない」と述べたと報じている。

これまで政府は、原発事故について「情報の逐次公開」を繰り返したため、「実はまだ何か隠しているのではないか」と国民に疑わせてきた面がある。その姿勢をメディアにバッシングされたために、さらなる批判を浴びないように、あえて自ら最悪レベルの評価を下したようにも見える。もし、そうならただの自己保身だ。

菅政権の原発事故の対応を見ていると、支持率が気になるのか、メディアや国民の顔色を伺ってばかりいるように見える。菅政権の利益ではなく、国民の利益を追求すべく、適切な判断を重ねることを期待したい。(村)

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